ぽん丸の雑記ブログ

徒然なるままに書いています

僕が阪神ファンである理由

 僕の出身は兵庫県だ。生まれてから20年、ずっと兵庫県を生活基盤にしてきた。趣味はプロ野球観戦。地元であるため、贔屓の球団はもちろん?阪神タイガースである(関西の人でも勘違いしている人が結構いるのだが、阪神タイガースフランチャイズは大阪ではなく兵庫なのだ)。

 

 関西における阪神の存在感、影響力というのはすごいものがある。街を歩くと1度は阪神についての話題を耳に挟むし、SNSを見ると必ず誰かが阪神の情報を発信している。阪神に関連した商品や応援セールを行っている店もたくさんあり、関西人にとって阪神というのはもはや日常生活の一部といっても過言ではない。

関西人は周囲の人間も阪神ファンであるとするのが当然といった世界で日々生活しているのだ。

 

 しかしもう一つ、関西をフランチャイズとしている球団がある。オリックスバファローズだ。

とはいえ、体感的にオリックスファンというのはかなり少ない。近鉄との合併、もともとは神戸をフランチャイズにしていたという歴史上、南大阪と神戸の一部にはファンが多数固まっているらしいが、あとはぽつりぽつりと各地域にまばらに生息しているイメージだ。

 

 ちなみに、ネット上ではこんな噂がまことしやかに囁かれている。「オリックスファンは3人しかおらへん!」

元ネタは2ちゃんねるオリックスファンに呼びかけを行ったところ、3人しか反応がなかったそうだ。

 

 まあ、さすがにこれは冗談ではあるが、実際2017年におけるプロ野球で応援しているチームは? という調査に対して、1位の「読売ジャイアンツ」が18.1%、2位の「阪神タイガース」が13.2%の票を獲得した一方で、12位の「オリックスバファローズ」は2.0%という結果が出ている。

一応ここには統計のマジックがかかっており、地元関西だけで見ると、1位の阪神40.9%,2位の巨人14.4%に続き、オリックスは9,6%で3位の座を獲得している。

しかしそれでも阪神との差は圧倒的であり、両者の人気の差が逆に明らかになってしまっている。

 

 一応断っておくと、オリックスの人気がないという趣旨の記事では全くない。ただ、交流戦関西ダービーを見ていると、僕がなぜオリックスではなく阪神ファンになったのか、その経緯が急に思い出され、それを整理したいと思ってこんな記事を書いたのだ。つまり、今までは長い前置きの部分であり、これから書く内容が今回書きたかった本筋の部分である。

 

 そもそも僕は幼少期の体験を考えると、オリックスファンになっていたはずなのである。

 

 今はどうなのか知らないが、僕が小学生の時はオリックス戦の入場無料券が結構な頻度で配られていた。当時オリックスフランチャイズはまだ神戸であり、グリーンスタジアムを本拠地としていたため、兵庫県民の僕にとってアクセスも抜群。さらに、祖父は前身の阪急ブレーブス時代からのオールドファン。となると、僕がオリックス戦を観戦しに球場に足を運ぶというのはもはや当然であり、それ以外の選択肢はなかったともいえる。ついでに言うと、オリックスのファンサービスは12球団トップクラスである。来場特典のキャップを被り、スタンドから花火を見る。そんな感じの楽しい記憶が、今でも僕の記憶の中に残っている。

 

 ここまでくると、僕にはオリックスファンになる以外の道は残されておらず、実際小学校3年生ぐらいまでは周りにもオリックスファンだと公言していた。

 

 そんな矢先、僕にとってターニングポイントとなる出来事が起きてしまう。

ある試合のあるイニング、ある選手の最高の瞬間を現地にいながら見逃してしまったのだ。

あの場面さえ目撃していれば一生オリックスファンだった。僕は今でもそう考えている。

 

 時は2006年5月27日、3点ビハインドの9回1死満塁。バッターは例のあの人、清原和博

球場のボルテージは最高潮。そして横浜クルーンの152キロのストレートをはじき返し、逆転満塁サヨナラ弾を右中間に叩き込んだ。現地でこれを観戦していようものなら、一生の思い出間違いなしである。

僕はこの試合現地にいた。ただし、清原が打席に入ったその瞬間まで。なぜか。僕はその時急に家で夜ご飯が食べたくなったのである。今考えると意味不明、しかし小学生というのは自分の欲求に非常に素直であり、また決めたことはどんなに不合理でも意地でやり通したくなるものだ。必死に引き留める父を無理やり連れだし、球場の歓喜を後ろに感じつつ、家路に就いてしまったのである。

 

 家に着いて晩御飯を食べながら、ニュースでオリックスが劇的サヨナラを収めたことを知り、泣きながら今から球場に戻ると駄々をこねたのは言うまでもない。

反動でその日から僕はオリックスへの興味を急激に失い、見事に阪神ファンへの転生を果たしたのだ。

 

 以上が僕が阪神ファンになった一連の流れである。あの日あの時あの場所で、夜ご飯が食べたくならなければ、あるいは夜ご飯を食べてきていれば、きっと僕はオリックスファンとしての人生を歩んでいたはずだ。

 

 まあ、こうして振り返ってみると、ある意味あそこでサヨナラを目撃しなかったことは必然であったような気がしないでもない。とりあえず、日本シリーズでいつか阪神オリックス関西ダービーが実現する、それこそが僕にとって阪神2度目の日本一以上の悲願なのである。